11/10/2008

教会の結婚式って(2)

2005年7月3日、漆原正之・漆原薇薇安ご夫妻の結婚式後の記念撮影時の映像です。ご夫妻のご厚意により、掲載させていただいています。



新郎・新婦共、受洗者(クリスチャン)の結婚式です。教会によっては、受洗者または教会員以外の結婚式を受けつけていないところもあります。日本では先に記したように、クリスチャン人口は1%ほどなので、布教の一環として、キリスト教、ひいては神をもっと知っていただきたいという意味で、非信者へ結婚式を開放しているところもあります。光の加減で見づらいですが、バージンロードは白系統(上品なオフホワイト)が使用されています。新婦の光沢のある白とは対照的で、ウェディングドレスのパールホワイトが引き立ち、花嫁をいっそう魅力的に映しています。

教会で結婚式を行うにあたり、あらかじめキリスト教の結婚理解を学び、式の意味を十分に理解し、相互の意思確認や結婚生活の展望、式の持ち方についてあらかじめ確認したりする、という意味で、結婚のための準備として、しばらく教会に通うことが要求されます。

挙式:日本基督教団上尾合同教会
司式:李秀雲牧師(日本基督教団埼玉中国語礼拝伝道所)

◆結婚式の基本的な流れ(プロテスタント)◆
入堂
招詞(短い聖句、結婚式の趣旨の宣言)
祈祷
賛美歌
聖書朗読
説教
祈祷
賛美歌
誓約
祈祷
宣言
賛美歌
祝福
退堂

キリスト教信仰における創造論では、神にかたどって作られた人間は、男と女に創造され、男女は互いにふさわしい助け手であり、一体として生きる者として、神の祝福の内にある(創世記1章27~28節・2章18~24節)。これは神に祝福されて男女共に神の前に平等で結婚が成り立つという意味で、教会での結婚式は聖書に基づく信仰であって、単に私的な婚姻関係を公にしたり、家族結合の意識を単に高める儀式ではない、という解釈です。

漆原正之・漆原薇薇安ご夫妻の結婚式の時に読まれた聖書の箇所は以下の通りです。

ペトロの手紙1章7節
同じように、夫たちよ、妻を自分よりも弱いものだとわきまえて生活を共にし、命の恵みを共に受け継ぐものとして尊敬しなさい。そうすれば、あなたがたの祈りが妨げられることはありません。


コロサイ信徒への手紙3章18節
妻たちよ、主を信じる者にふさわしく、夫に仕えなさい。


『日本基督教団式文』で聖書朗読の箇所例として、創世記2章18節~24節、コロサイ信徒への手紙3章12~17節、マタイによる福音書19章3~6節が載っています。

誓約
(新郎に対し)
あなたはこの姉妹と結婚し、神の定めにしたがって夫婦となろうとしています。
あなたは健やかなときも病む時もこの姉妹を愛し、敬い、慰め、助け
その命の限り、堅く節操を守ることを誓いますか。

(新婦に対し)
あなたはこの兄弟と結婚し、神の定めにしたがって夫婦となろうとしています。
あなたは健やかなときも病む時もこの兄弟を愛し、敬い、慰め、助け
その命の限り、堅く節操を守ることを誓いますか。

洋の東西を問わず、キリスト教挙式で必ず出てくるフレーズです。ここで、「いやです」とか「無理です」と言ったら大変です。「誓います」と言います。

同夫妻の結婚式では、誓約の後に指輪交換、誓いのキス、祈祷という順でした。

私が出席した他の結婚式で、ライスシャワーが行われたものもありますが、本来のキリスト教会での結婚式では想定されていません。普段は礼拝(またはミサ)のための宗教儀式を執り行う場所ですので、ライスシャワーの可否や清掃の手配などくれぐれもご確認をされることをお勧めします。

日本基督教団埼玉中国語礼拝伝道所  萩原 勝

【参考】
共同訳聖書実行委員会 『聖書 新共同訳』 日本聖書協会 1987, 1988年
日本基督教団信仰職制委員会 『日本基督教団式文』 日本キリスト教団出版局 2006年